グランドパッキンとは?構造・役割・メカニカルシールとの違い

2025-09-02

グランドパッキンは、編組したひも状のシール材をリング状に切り、ポンプや撹拌機などの回転軸、バルブの弁棒と機器本体の隙間へ詰めて使う軸封部品です。漏れを適切に制御しながら軸や弁棒を動かせるようにします。

グランドパッキンの形状とポンプ・バルブの使用例
グランドパッキンはひも状の材料をリングにして、ポンプやバルブの軸封部へ組み込みます。

グランドパッキンの基本構造

一般的な軸封部では、複数のパッキンリングをスタッフィングボックスへ挿入し、グランド押さえで軸方向に締め付けます。締付力によってパッキンが軸・スリーブ側とボックス内面側へ広がり、漏れの通り道を狭くします。

パッキンリング流体、温度、圧力、回転数などの条件に合わせた材質を選び、軸の周囲へ複数組み込みます。
スタッフィングボックスパッキンを収める機器側の空間です。寸法や状態が密封性能に影響します。
グランド押さえパッキンを均等に締め付け、漏れ量と摩擦・発熱のバランスを調整します。
軸・スリーブパッキンが接する相手側です。傷、摩耗、振れがあると漏れや寿命に影響します。

密封の詳しい考え方は、グランドパッキンの仕組みと密封原理で確認できます。

役割は「漏れを適切に制御する」こと

回転軸に使うグランドパッキンでは、漏れを完全に止めることだけを目標にすると、潤滑や冷却が不足して摩擦・発熱が増える場合があります。必要な漏れ量は設備、流体、温度、圧力、回転数、パッキン材質によって異なるため、設備メーカーとパッキンメーカーの指定を優先します。

一般的な漏れ量の目安はグランドパッキンの漏れ量、交換後の締付けはグランドパッキンの正しい調整方法を参照してください。

安全上の確認:危険流体、高温・高圧、漏れの急増や飛散がある場合は、運転中の増し締めだけで対応せず、現場の安全手順に従って停止・点検します。

グランドパッキンとメカニカルシールの違い

どちらも軸まわりの漏れを抑える部品ですが、密封する仕組みと保全方法が異なります。優劣だけで決めず、流体、運転条件、許容できる漏れ、保全体制に合わせて選びます。

比較項目 グランドパッキン メカニカルシール
密封の仕組み 編組したリングを軸・スリーブへ押し付け、隙間を絞る 回転側と固定側の平らなシール面で漏れを制御する
漏れの考え方 用途に応じた漏れで潤滑・冷却を保つ場合がある シール面の薄い流体膜を保ちながら、目に見える漏れを抑える用途で使われる
日常保全 漏れ量、締付け、発熱、軸・スリーブの状態を確認 漏れ、摺動面、二次シール、ばね、運転条件などを確認
判断時の要点 材質、寸法、組付け、締付けと軸側の状態 型式、材質、摺動面、寸法、取付状態と機器側の状態

メカニカルシールの構造、種類、選定条件はメカニカルシールの基礎・選定ガイドで確認できます。

選定・交換前に確認する項目

  • 設備名、メーカー、型式、軸径、スタッフィングボックス寸法
  • 流体名、濃度、温度、圧力、回転数、固形分や摩耗性の有無
  • 現在のパッキン材質・寸法・リング数と、交換・増し締めの履歴
  • 漏れ量の変化、異音、振動、発熱、能力低下の有無
  • 軸・スリーブの傷や摩耗、軸受、芯出し、配管荷重など機器側の状態

漏れの原因がパッキンだけとは限りません。症状に応じて軸封部品、軸、軸受、芯出し、運転条件を切り分けます。

CHOOSE THE NEXT CHECK

状態に合う確認先

漏れ方と機器の状態を基準に、次に確認する内容を選んでください。

問い合わせページへ進むと、相談種別とこの記事を起点として引き継ぎます。設備名、メーカー・型式、流体、温度・圧力・回転数、現在の軸封方式、漏れや異常の変化を分かる範囲でお知らせください。